FacebookやMySpaceで屈指の人気を誇るソーシャルゲーム「Mafia Wars」徹底レビュー
現在、人気ランキングでFacebookで10位、MySpaceで2位につけている「Mafia Wars」。現在、もっとも人気と知名度を兼ね備えたソーシャルアプリと思われるこのゲームの仕組みを徹底解剖してみます。 Mafia Warsは、プレイヤーが一人のマフィアとして犯罪や他マフィアとの抗争、ゴッドファザーとの交渉を繰り返しながらスキルや資金を蓄積し、のし上がっていくゲームです。基本的にはいろいろな数値のパラメータとにらめっこしながら、そのときに行う行動や買うものを決めたり、レベルアップしたらスキルを割り振ったりといった作業が中心になります。 基本的なプレイ画面。いろいろなコマンドボタンをクリックしてゲームを進めていく 少しプレイしただけでは「これのどこが面白いんだろう?」というのが最初の印象かもしれません。実際筆者もそうでした。見やすいけれどとてつもなく地味な画面で、単調な作業。アクション性や派手なグラフィックも皆無です。 しかもテーマがマフィア。ほとんどのプレイヤーが最初にやることになるであろうミッションが「Mugging(路上強盗)」ときています。レベルが上がって行くにつれて、武器が凶悪になり、犯罪の極悪度も上がっていきます。全世界で1000万人がこのゲームを嬉々としてプレイしている状況は果たしてよいのだろうか、そんな心配もちょっとしながら、ゲームの中身を見ていきましょう。
確実な「達成感」とともにテンポ良くステップアップしていくゲーム展開ゲームを始めるときに行うことは2つ。(1)自分のニックネームを決め、(2)ベースになる3種類の特性(Mogul,Fearless,Maniac)から1つを選びます。あとはマフィアの世界に放り出され、この後は自分で全て次の行動を決めていきます。 まずはゲームの仕組みについて説明します。本エントリーで説明しきってしまうくらいシンプルです。この記事を見て興味をもったら、ぜひ一度プレイしてみてください。はまった人はフレンド登録して共に戦いましょう。 プレイヤー(マフィア)のステータス・Attack・・・攻撃力。戦う相手に与えるダメージの基本値になります。 一般的なRPG(ロールプレイングゲーム)のイメージとほぼ同じです。特徴はEnergyとStaminaで、行動をするとこれらを消費してしまうので(時間とともに回復)、ゲームを連続した時間ずっとやり続けることはできないようになっています。ただし、後述するようにGodfatherに頼めばEnergyやStaminaが一瞬で回復するので、そのGodfatherに何かをしてもらうときに必要なポイント=Reward Pointsがこのゲームの課金対象になっています。つまり短時間で成長したい人が課金するわけですね。 プレイヤーが取れる行動 (1)Job(仕事)
Jobを終えると表示される画面はこれだけと、いたってシンプル
(2)Fight(抗争) (A)他のマフィアと戦う (B)暗殺者リスト (C)テリトリーを荒らす このFightの部分が個人的にはMafia Warsの一番面白いところだと思います。Mafia Warsでは自分と同じようにプレイしているマフィアがたくさんいて、それらと戦うことを通じてコミュニケーションを取りながら、より強くなって仕返しをしたり、相手の邪魔をしたり、といった遊び方ができます。仮に負けが込んでも(B)のような仕組みもあるので第3者の他のマフィアを巻き込んで仕返ししてもらうことも可能です。マフィアの世界をこのシンプルなゲームシステムに非常にうまく取り込んでいます。 K某というマフィアに攻撃されて、傷を負った上にお金を奪われた。こういうのが予告無しでいきなり来る 8000ドルの懸賞金をかけて、Hitlistに登録してみる(Don Yamadaが筆者) (3)Property(不動産) 不動産はJobと同じように安定したCashの収入源になりますが、Jobと違うのはオフラインでも収入が貯まっていくこと。その代わりExperienceは得られません。ゲームのプレイ頻度があまり高くない人は、Cashをできるだけ不動産に変えておくと、時間がたつといつの間にかといった感じで多くのお金を貯められます。 (4)Inventory(所持品) コレクションや戦利品を確認したり、他のユーザーと交換したりすることもできます。「Wishlist(欲しいものリスト)」の機能を使うとコレクションの中で自分が持っていなくて欲しいアイテムを他プレイヤーに知らせることができ、「Gift(贈り物)」の機能を使って味方のマフィアにアイテムを贈ることができます。 トランプのカードや彫像・チップを集めるといったコレクション要素もある (5)Godfather(マフィアのボス) だいたい25セントで1Reward Pointsに相当します。10Reward PointsでEnergyやStaminaが全回復。14Reward Pointsで4スキルポイント獲得(1レベルアップ相当)。このへんの相場はやや高め、との印象は否めませんが、アイテム課金の価格としては妥当なところでしょう。リアルマネーでReward Pointsを購入するのには制限がないので、お金をどんどん使う人は無料プレイヤーよりも早いスピードでゲームを進めることが可能です。ただしいわゆるアイテム課金と違い、レアアイテムが手に入るわけではありません。あくまでも時間や手間をお金に換えている感覚といえるでしょう。 クレジットカードやPayPalの他に各種ウェブマネー、またはサードバーティのツールダウンロード・モニター応募などによってもReward Pointsは獲得できる ゲームの展開はとてもテンポが良いです。始めると数回JobやFightを行うとレベルがあがり、お金もけっこう簡単に貯まるのでアイテムをわりと自由に購入することができます。アイテムも最初こそ野球のバットやピストル程度ですが、それでもバラエティに富んだ種類のものを序盤のうちからいろいろと揃えていくことができます。Jobを実行しても単にパラメータの上下があるだけでなくLoot(戦利品)をランダムでゲットしたりして飽きさせません。 小さな達成感を着実に味わうことができるゲームバランスになっています。ログインしてちょちょっとプレイするだけでも何かしらの確実なステップアップがあるというのは、Mafia Warsのようなカジュアルゲームでは必須の条件であるといえます。 しかもレベルアップやより豪華な不動産などの次の目標が明確に見えています。かといってレベル帯ごとに選択できるものには制限があり、レベルアップするごとにアンロックされていくようになっており、あまり遠い先のものは見えないようにもなっています。 この小さな達成感をちょっとずつプレイヤーに味あわせながら次のステップ、次のステップへと誘導していく絶妙なゲームバランスがMafia Warsのはまるポイントで、最初は適当にクリックしているだけだったものが、続けていくうちに「今日もちょっと進めとこう」という気分になってくること請け合いです。 SNSのフレンドとマフィアのファミリーをリンクさせたソーシャル要素ゲーム要素の説明の最後になりましたが、Mafia Warsでソーシャルネットワークと絡めたソーシャルな要素になっているのがマフィアのファミリーの仕組みです。 プレイヤーは、自分のフレンドをファミリーとして雇うことで一人で戦うのはなく集団で戦うことができます。JobやFightの中にはある一定数以上の仲間が必要というものがあり、大きなミッションをこなすにはファミリーの数を増やすことが必要不可欠になっています。 メンバーに加えられるのはFacebookなどSNS上で実際にフレンドである人だけで、お互いに承認することでメンバーになります。メンバーのうち6人までは「運転手」「ボディガード」などの特殊な役割をアサインすることができ、スキルやステータスにボーナスを受け取れます。 仲間を増やして、その仲間に地位を与える。こうして最強のファミリー作りを目指す ファミリーメンバーにできるのは今のところ最大500人ですが、一人あたりのフレンドの平均が120人程度であるFacebookにおいてその範囲で仲間を集めるのは容易なことではないようで、関連フォーラムやファンページなどでは「自分を仲間に加えて欲しい」といった書き込みが頻繁に見られます。 そうして実際にSNS上でフレンドになることも少なくなく、筆者も実際、ゲームをプレイする中で「自分を加えて欲しい」という人があらわれ、Facebook上でフレンドになる、といった経験をしています。こうした傾向はもちろんMafia Warsだけではなく他のソーシャルアプリでも同じように起こりえることですが、Mafia Warsはファミリーの人数=自分の強さ、と直結しているため、余計にその傾向が強い気がします。 攻略法が見えてる?のがいいともいえる、ある種のわかりやすさMafia Warsの基本的な要素については、これでほとんど説明しました。このようにシンプルなゲームなので、プレイヤーが全体を把握することは容易です。そして基本的にやることはパラメータの割り振りとか次の行動の選択なので、何をどうやったら効率的に稼げるか・レベルアップできるか、といったことが想像しやすくなっています。 例えばレベルアップ。レベルアップするとEnergyとStaminaが全回復するという仕様があります。すると、次のレベルアップまでにEnergyとStaminaをちょうどぴったり使い切る展開が望ましいということになるので、さてどうするか、といったことを考えます。 レベルアップ画面。レベルが上がるタイミングでステータスが全回復。 すると次のレベルアップまで15Experienceで10Energyある場合、7Energyを使って10ExperienceゲットできるJobと、3Energyを使って5Experienceゲットできるミッションを1個ずつやればいいな、といった計算をすることになります。 ステータス割り振りもシンプルであるがゆえに、深く考えなくてもスキル割り振りの方針が立てやすいです。Jobを実行するのに必要なのはEnergyさえあればよいので、早くレベル上げをしたかったらレベルアップ時にはEnergyを最優先に振り分けていく、というのがセオリーになりそうです。実際バージョンアップ前までは、ステータスをEnergyに全振りしていくとEnergyを使い切る前に次のレベルにアップ、という連鎖をすることができ、ずっとやっているとあっという間にレベル100以上にはなれる、という非常にベタな仕様というか攻略法があったみたいです。 今はそうした仕様は修正されてレベルアップには相応のExperienceが必要になっているようですが。 ただし、Energyに全振りしてしまうとHealthやAttackが上昇せず、同レベル帯の他のマフィアに狩られやすくなるということもあり、ある程度バランスが取れているともいえます。 筆者の経験ですが、海外のゲームは基本的にはマゾゲー仕様で、難易度が非常に高くて死にながら覚えてクリアするみたいなものが多かったり、これ絶対クリアできないだろ、みたいなレベルが用意されているなどすることが多かったのですが、Mafia Warsはそうしたゲームに比べると明らかに「ぬるい」。 一概には言えませんが、こうしたゲームが多くのユーザーを獲得しているのを見ると、ソーシャルゲームの1つの方向性は見えてきます。1つはプレイヤーをうならせるような「ゲーム性」にこだわりすぎないこと。むしろ他ユーザーを仲間にしたりちょっかいを出したりといったソーシャルな要素を適度に盛り込んだうえで、さくさくと細く長く続けていけるデザインです。 パッケージゲームはそのとき売れて短期間でも消費者が楽しめれば成功といえます。それがソーシャルゲームになると、基本無料という仕様で出さざるを得ない以上、継続してプレイしてもらうことが必須条件になってきます。 Mafia Warsは感動するゲーム体験とはかけ離れているものの、適度なはまり要素とテンポの良さで多数のユーザーを獲得しています。参考になる点は多くありそうです。 ※補足:SNS版(Facebook,MySpaceなど)とiPhone版との違いについて以前の記事で、同じZynga社のゲームであるTexas Hold’Emは、Facebook Connectを使ってFacebookアカウントをiPhoneのゲームアカウントとリンクできるということを取り上げました。ところが、Mafia Warsはちょっと仕様が違います。 iPhone版のMafia Wars。画面中央に自分のPlayer IDが表示されている。これを他の人に入力してもらうことで仲間に加わる Mafia WarsのiPhone版は、FacebookやMySpaceなどのSNSのアカウントとはリンクできません。今のところ、iPhone専用に新しいアカウントを作るようになっています。 基本的なゲームシステムは同じですが、iPhone版はマフィアファミリーの増やし方が違います。SNS版ではフレンドを招待することで仲間に加えていくのですが、iPhone版では、プレイヤーIDを入力するだけで仲間に加わるという、非常に簡単なものになっています。 そのため、iPhoneのApp Storeのレビューページなどは、さながらフレンド募集掲示板の様相を呈しています。これはこれで意図的だとしたら上手すぎますね。 この画面でPlayer IDを入力。招待する場合も自分のPlayer IDを知らせる形式 これはiPhone自体はSNSではないのでフレンド機能が備わっていないから、という事情もあるでしょう。また、Mafia WarsのiPhone版はSNS版に比べてかなり後発のため、iPhone版からゲームを始めた人がキャッチアップしやすいように、という配慮もあると思います。Texas Hold’Emがフレンドはいれば楽しいけれどいなくても個人で楽しめるゲームなのに対して、Mafia Warsは仲間を増やしていくことがゲームの進行上の条件にもなっているからです。 別のプラットフォームに移植するときに同じ仕様でいくかどうか。参考になる点が多いのではないでしょうか。 関連リンク: |

















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