「ソーシャルアプリでアタリショック」というのは比較対象のずれた議論
最近、このあたりの記事を皮切りに、「ソーシャルアプリ(ソーシャルゲーム)でアタリショックが起きるかどうか」という記事をいくつか読みました。
3 Ways The Social Gaming Boom Is Imitating The Atari Gaming Boom
(訳:ソーシャルゲームブームがアタリブームに似ている3つの理由 | Generation V )
ソーシャルアプリに“アタリショック”は起こるのか? | 企業・経営:ニュース・解説 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
賛否両論の意見が飛び交っていますが、まずこの議論は比較対象からいって違うと思います。いうなれば「mixiアプリでアタリショックは起きるか」「Facebookでアタリショックは起きるか」という視点であって、そうだとしたら可能性は大いにあると思います。
そもそもソーシャルアプリ業界の本質は、良質なプラットフォームを提供できるかが焦点の、プラットフォーム間の競争が第一だというのが私の考えです。
それはウェブという揺るぎない規格が存在することによって可能になっています。ユーザーが使いやすく、楽しめて、SAPが面白いゲーム・アプリが作りやすくて運営しやすく、利益を上げられるプラットフォームだけが生き残り、そうでないプラットフォームは使われなくなり、ユーザーやSAPは他に移るようになります。MySpaceからFacebookへこうも簡単に覇権が移ったのはそういうことです。きっと日本でもそういうことが起こるでしょう。どこかは分かりませんが。
Facebook、MySpace、mixi、モバゲーなど主要なプラットフォーム間の移植について実際やってみていますが、アプリの移植はこれまでになく短期間・低コストでできます。ゲームやアプリはウェブという規格にのっている限りどこで出してもよく、特にOpenSocial準拠のプラットフォームは一部の独自仕様部分さえ修正すれば、移植が非常に簡単です。
ちょうどAppleがFlashのiPhoneアプリコンバータを禁止したというニュースが話題になりましたが、そういった問題はそもそもiPhone SDKやFlashがオープンではないからこそ起こってしまう負のイノベーションです。いまはまだiPhoneのネイティブアプリケーションやFlashのほうがウェブ(≒HTML5)よりも高機能ですが、両者の溝はだんだん埋まってくると思います。
良いプラットフォームというものに答えはなく、非常に難しい問題だと思います。ゲームのアクティビティフィードがタイムラインに飛びまくりのFacebookがベストだとは到底思えませんし、逆にゲームをメインに押し出したモバゲーみたいなかたちが最終形かというとそうでもない気がします。だからYahoo!Japanと組んだのでしょうが。
じきにプラットフォームはソーシャルグラフのデータベースを提供するという役割が最小単位になります。すでにTwitterやFacebookはそうした仕組みを始めていますが、「認証+データ出し入れ」という仕組みだけを利用し、サービスやアプリケーションは実際どのドメインでやるのも自由になってくると思います。